イーサリアム(ETH)について

たくさんの種類がある仮想通貨ですが、ビットコインの他は?と言われれば国内だと"リップル"や"モナコイン"がメジャーでしょうか。最近だとCC事件で"ネム"も有名になりましたね。

今は国内ではそれでしょうがないかもしれません。しかしみなさん、是非覚えて頂きたい。時価総額ビットコインに次ぐ二位、注目すべきは"イーサリアム"だ!

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イーサリアムとは厳密にいうとプラットフォームの名称で、仮想通貨としての名称は"イーサ(ETH)"です。プラットフォームというのはネット上の色々なプロジェクトの基盤になっている部分、まさしく"プラットフォーム"です。

ビットコインブロックチェーンでは「決済のやり取り」を記録していますが、イーサリアムブロックチェーンを使って様々なものに応用していこうという取り組みをしています。ブロックチェーンで稼働させることの特徴的な利点として"契約が自動化される"ということが挙げられます。これを"スマートコントラクト(賢い契約)"と言います。これ大事なキーワードのひとつです。

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ざっくりとこんな感じですね。

仮想通貨のやり取りもこういうことなのですが、その他"契約"が必要な事物に関してこのプログラムが応用できます。

例えばですが、お部屋の契約をする際は不動産屋さんが仲介しますよね?わざわざお金を払って仲介してもらう理由は、"契約の証明"です。

借り主と大家さんの契約の"証明"をしてもらうことにお金を払っているのです。お部屋を探して紹介してもらっているのはあくまでサービスで、契約が成立しないと何部屋紹介しようがお金は発生しません。

大事なのはこの"契約の証明"です。契約を証明する人・物がないと、後からいくらでもズルできるので取引になりませんからね。

これをブロックチェーン上で行ってしまえば、契約内容は永久にデータに載り、改ざんができないので信頼できますから、わざわざ不動産屋さんが証明しなくてもよくなるわけです。この辺は"トラストレス(わざわざ信用する必要がない)"と言って、これも重要なキーワードのひとつとなっています。

 

現在、もうすでにイーサリアム上では様々なサービスやプロジェクトが稼働しています。 


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イーサリアムの世界を簡単に逆ピラミッドにした図ですが、一番左上は「イーサデルタ」という「分散型取引所(DEX)」です。管理者が存在しない仮想通貨の交換所ですね。右上のは「クリプトキティーズ」、ブロックチェーン上にできたアプリ「DApps」のゲームです。他にも、個人認証を管理する「ID/KYC」、ビッグデータの管理から予想を行う「Oracle」、データ保管の場所を担う「File/Storage」。

このように、ブロックチェーンやスマートコントラクトに関するいろいろなプロジェクトが一番下の「イーサリアム」というプラットフォームに乗っかっているということです。

そして、ETHというのは、これらを稼働させるための"燃料"だと思ってください。その表現方法が一番しっくりきます。DEXで取引をする際「ガス」と言われる手数料を「ETH」で支払ったりとか、ゲーム内のアイテムを買うのに「ETH」が必要だったりします。

 

イーサリアムのスマートコントラクトを事業に活用するために世界中の様々な大手企業が集まって、"イーサリアム企業連合(EEA : Enterprise Ethereum Alliance)"が発足しました。

 

2018年3月現在、すでに400社以上が加盟しています。

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一部を抜粋しましたが、有名なのだとKDDIマイクロソフト社、日本の三菱UFJも参加してますね。1月で200社以上だったそうなので、爆発的に増えてますね!

 

とまぁこのように、イーサリアムは"トラストレス"をテーマにした"スマートコントラクト"、略して"スマコン"を最大の商品にしたトークンなのです。

こういった有力な企業たちが、先日の記事にも書いたDAppsをガンガン開発していっている状況です。しかしこれほどのサービスが展開しているイーサリアムですが、実はまだステップアップの段階で未完成のフォームなのです。ロードマップを確認してみましょう。

○ 2013年 Frontier(フロンティア)

・技術者向けのテスト版リリース。

○2016年 Homestead(ホームステッド)

・バグや運用ルールなどを修正し、安定したプラットフォームに改善。この時から企業などにアプリケーションを提供するようになりました。

○2017年 Metropolis(メトロポリス) ※難航中

メトロポリスは2段階のアップデートとなっています。

Byzantium(ビザンチウム)

・ゼロ知識証明でプライバシー保護の強化。

・公開鍵のアドレスを自分で決められる"マスキング"。

・スマコンの簡略化

☆現在☆

Constantinople(コンスタンティノープル)

・PoWからPoSへの移行準備。

2018年現在、データ量と取引処理速度の問題である"スケーラビリティ問題"を改善するため、シャーディングという手法を用いる予定です。シャーディングの実装も段階的で

ルビー(現在)→サファイア(2018後半)→ダイヤモンド(2019年)

というロードマップとなっております。

○201?年 Serenity(セレニティ)

・PoSへ完全移行、スケーラビリティ問題の改善によってよりスムーズな取引ができる。

 

だいぶ難しい話になりましたが、要はまだまだ課題や問題点があるけど、頑張って進化していくよってことです。仮想通貨を投機目的だけで見るのは釈迦の掌にいるようなもの。その背景に何があるかに気づきません。

何のために投機するかを考えると面白いですよ。うまくいけば未来を予測できるかもしれません。